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社長が気づかない人的課題の深さ——”氷山モデル”で見えてくる人事制度の本当の価値

「採用を増やしても人が定着しない」「研修を繰り返しても組織が変わらない」——多くの中小企業経営者が直面するこの悩みには、共通の”見落とし”があります。

それは、人的課題を水面上(採用)だけで解決しようとしていることです。

採用は目に見えやすく、着手しやすい施策です。求人を出す、エージェントに依頼する——確かに行動としてわかりやすい。しかし、それだけでは根本的な解決には至りません。

本記事では「氷山モデル」を使って人的課題の構造を整理し、人事制度という”水面下の根っこ”に早期着手することの意義をわかりやすく解説します。経営者の方にも、人事担当者の方にも、ぜひ最後まで読んでいただきたい内容です。


「採用・教育・人事制度」——3つの施策はどう違うのか?

人的課題への対処法は、大きく3つに分けられます。採用・教育研修・人事制度です。この3つは一見並列に見えますが、実は「課題の深さ」と「解決効果の大きさ」が大きく異なります。

採用:水面上に見える課題

採用は最も課題として認識しやすい施策です。「人が足りない」「欠員が出た」という状況は誰の目にも明らかで、即座に対応を求められます。しかしその分、根本的な人的課題解決の効果は3つの中で最も低く、他の施策への波及効果も限定的です。

教育・研修:中間層に位置する施策

スキルアップや知識習得に有効ですが、制度の土台がなければその効果は単発で終わりがちです。「研修をやっても職場に戻ると元通り」という現象が起きる企業の多くは、教育制度と人事制度(等級・評価)が連動していないことが原因です。

人事制度:水面下に隠れた根っこ

人事制度は、氷山の最も深い部分に位置します。着手への抵抗感も最も高いですが、裏を返せば根本的な人的課題解決の効果も、他の施策への波及効果も、3つの中で最も高いのが人事制度です。人事制度は整備に時間がかかる分、着手のタイミングが早ければ早いほど組織への浸透も早く、採用・教育との連動効果も高まります。


なぜ「着手しやすい施策ほど効果が低い」のか?

人的課題には、皮肉な構造があります。着手しやすいものほど、根本解決の効果が低いという逆転現象です。

採用強化だけでは「穴の空いたバケツ」になる

採用を増やしても定着しない企業の多くは、組織の土台となる人事制度が整っていないことが根本原因です。処遇や評価の仕組みが不透明なまま採用を強化しても、入社した社員が早期に離職してしまいます。人事制度という「底」が整っていなければ、採用という「水」はどこまでも流れ出てしまうのです。

教育・研修の効果は「土台」があってこそ

「何ができればどのように評価されるのか」という等級基準・評価基準が明確でなければ、研修の効果も頭打ちになります。教育制度は人事制度(特に等級・評価制度)と連動してはじめて、最大の効果を発揮するものです。

人事制度の整備こそが、すべての施策を活かす土台

納得感のある評価基準があってはじめて「ここで頑張れば報われる」と社員は感じます。再現性のある仕組みがあってはじめて、属人的判断に左右されない公平な組織運営が実現します。


人事制度を後回しにすると何が起きるか?

①優秀な人材ほど辞めていく

評価基準があいまいな組織では不満が蓄積します。特に成果を出している中堅・若手社員ほど転職を決断しやすく、変化を嫌う層だけが残り、組織のパフォーマンスが低下していきます。

②場当たり的な対応がレギュラー化する

人事ポリシーも等級基準もないまま運用を続けると「例外処理」を繰り返すことになります。制度の形骸化が進むと、もはや制度そのものへの信頼が失われ、一度形骸化した制度を立て直すには、最初から整備する以上のコストと時間がかかります。

③採用コストが膨らみ続ける

入社した人材がすぐ離職し、また採用に費用をかける——穴の空いたバケツに水を注ぐ状態が続きます。人事制度を早期に整備することは、将来にわたる採用コストの低減にも直結します。


「難しい・負担が大きい」は、社内だけで進める場合の話

ここまで読んで「やはり人事制度は難しそう…」と感じた方もいるかもしれません。しかしそれは、社内だけで取り組もうとした場合の話です。

ジェントルマネジメントでは、弊社が一貫して手を動かします。ヒアリングをもとに資料を作成し、制度の骨格を設計するのは弊社の役割です。クライアントの皆さまにお願いするのは、会議に参加して、弊社が作成した資料をもとに意見交換していただくことだけ。それだけで、どんどん制度が出来上がっていきます。

「何から手をつければいいかわからない」「担当者のリソースが足りない」——そういったご不安をお持ちの方こそ、ぜひ一度ご相談ください。難しそうに見えるその課題こそ、私たちが最も得意とする領域です。


早期着手した会社に何が変わったか?(支援事例)

実際に人事制度の整備に早期着手した企業では、どのような変化が生まれたのでしょうか。

昇格・昇給の判断が属人的で社員に不公平感があり、評価が形式化し育成につながっていなかった企業が、弊社の支援により等級・評価・処遇が連動した仕組みを整備。社員の納得感が生まれ、目指すキャリア像が共有されたことで成長意欲が向上しました。評価面談が育成機会として現場に定着し、「採れる・育つ・定着する」好循環が生まれはじめています。

「制度の仕組みを整えることは、単に『ルールを決める』ことではなく、会社の価値観を可視化して、社員と共有するプロセスだった」——これはご支援した企業の担当者の言葉です。


  1. 採用を増やしても定着しない状況が続いていないか?
  2. 評価基準があいまいで、社員からの不満が出ていないか?
  3. 昇格・昇給の判断が、担当者や上司の主観に依存していないか?
  4. 研修・教育施策が等級・評価制度と連動していないか?
  5. 人事制度の整備を「いつかやろう」と先送りにし続けていないか?

1つでも当てはまれば、人事制度の整備・見直しを検討するタイミングです。人事制度は「難しい・時間がかかる」という印象が先行しがちですが、早期着手すればするほど効果は大きく、将来の採用・育成コストを下げる投資にもなります。


おわりに

「採用さえうまくいけば解決する」——その発想が、実は人的課題を深刻化させる落とし穴かもしれません。

氷山の水面下にある人事制度という”根っこ”に目を向け、土台を整えること。それが、組織が「採れる・育つ・定着する」好循環をつくるための、最も確実な一手です。

中小企業こそ、早期に人事制度の土台を整えることで、限られた人材を最大限に活かし、組織の成長スピードを大きく変えることができます。「まだ人数が少ないから」「もう少し会社が大きくなってから」——そう考えているうちに、気づけば取り返しのつかない状況になっていた、というケースは珍しくありません。

人事制度の構築・見直しについて、何からはじめればよいかわからない方は、ぜひお気軽にご相談ください。貴社の状況に合わせた伴走支援を提供いたします。

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